麻雀素人の僕がどハマりしたMリーグの魅力~群像劇~
今年10月からスタートした麻雀プロリーグ戦・Mリーグの年内最終節が終了した。
7チームが目まぐるしく順位を入れ替わり、どのチームが4位以内に残ってファイナルシリーズに進出するかまだまだ展開が読めない。
年が明けて試合が再開することが待ち遠しいばかりだ。
さて、Mリーグのある日はほとんど毎日画面にくらいついて対局を見守っていた。
そんな生活が続くとは思わなかった。
そもそも私(20代中盤・男)は実生活で麻雀をする機会はほとんどなく、ルールや役は知っていてゲームやネットでたまにやるくらいで、あとはYoutubeがオススメしてきた役満集や渾身の1局などを観る程度。
1回観るとYoutube側も「あんたも好きねぇ~」と言わんばかりに他の動画もオススメしてくるから、それらの動画や麻雀格闘倶楽部やmjのゲームなどでプロ雀士の顔と名前は一通り知っていた。
昔から麻雀の試合をエンタメとして消費していた人間だったということは前置きしておきたい。
麻雀のルールは知っているが、実戦経験は少ないという完全なる素人層の私が、なぜここまでMリーグにハマってしまったかを振り返る。
●観始めたきっかけ
●選手1人1人の個性がみえてきて群像劇になった
●好きなチームを選べない!
・きっかけは「萩原聖人」プロ雀士の資格取得のニュース
Mリーグを知ったのも、俳優・萩原聖人がプロ雀士の資格を取得したというニュースがきっかけだった。
もともと、萩原さんが麻雀強いことは知っていたし、俳優としてもすごく好きな方だった。
(「神戸新聞の7日間」での萩原さん演じる記者が「すいません…すいません…」と号泣して謝りながら、母親の遺骨を集める少年に向かって写真を撮るシーン。あの演技での記者と人間の間に揺れる葛藤を表現する演技は未だに心に刻まれている。余談失礼。)
そんなわけで、このニュースを見たことをきっかけに、Abema TVで気軽に見られることもあり、興味本位でMリーグを見始めた。
・コメントとともに複数人で見て盛り上がる視聴スタイル
Abema TVはコメント欄があり、開きながら見れば匿名の誰かのコメントとともに視聴が楽しめる。このご時世当たり前のシステムになったが、やっぱり誰かと共有しながら観戦する環境は楽しい。
大きい手役をあがったり、危険牌をビタ止めしたときには「おーーー!!」とコメントが盛り上がれば、プロが何を切るか迷っていると自分ならこれを切るという牌をコメントが流れたり、HUBでスポーツ中継を見ながら盛り上がる空気感とよく似ている。(野次も含め 笑)
実際にMリーグでは定期的にパブリックビューイングも行なっており、まさにスポーツ的な見方で楽しむことを提示している。
・Mリーガーの個々が見えてきた
見始めてすぐは、それぞれのMリーガーがどんな打ち筋(プレースタイル)なのかあまりわからなかったが、対局中の解説などを聞いたり、観る対局数が増えることでまずはだんだんとその人のスタイルがわかってきた。
解説は同じMリーガーの選手が務め、試合中の打牌の思考を掘り下げて話してくれる。
それを聞いて、プロってそこまで読んでいるのか。と興奮する。笑
凄い人たちの思考をのぞく、それが楽しく自分も麻雀が上手くなりたいという意欲を掻き立てられる。
・選手個人の魅力も発信する「熱闘!Mリーグ」
「熱闘!Mリーグ」もMリーグの魅力発信においては欠かせない存在だ。
日曜日22時~23時までAbema TVで放送されるこの番組は、麻雀好きの爆笑問題の田中さんがMCを務め、麻雀好きのタレントや芸人とともにその週に行われたMリーグの試合をダイジェストで振り返る番組だ。
爆諸問題のラジオを聞いているリスナーとしても、たまにこの番組の話題が出るのでチェックするのが楽しみになっている。
この番組では重要な企画が2つある。
・「今週のじゃいの眼」
・「21人の軌跡」
「今週のじゃいの眼」は麻雀が強いことでも知られるお笑い芸人・インスタントジョンソンのじゃいが、その週に凄い!と思ったプロの一打の思考を徹底的に解説する人気コーナー。
そこまで読むのか!そこまで考えてるのか!という思考を紐解いて分かりやすく解説してくれる。
麻雀上級者にとっては当たり前だと思われることも、自分のように初心者にとっては学びになるコーナーだ。
このコーナーを機に、そこからもっとプロの思考、考え方に興味をもち、以下の動画に出会った。
Mリーガーとしても活躍するプロ雀士による自身の思考を解説する動画。
こちらはMリーグとは別ですが、オススメです。
そして、もう一つは「21人の軌跡」。
Mリーガー1人1人に密着取材を試みるドキュメンタリー。
選手個人の日々の生活や素の姿が見えることで、身近に感じ、距離感がぐっと縮まるような感覚になる。
特に「近藤誠一」プロの密着は、傑作だった思う。
紳士で誠実なイメージがあった近藤さん。
実生活では、独身で毎日ビールを飲み、休みの日には温泉に行ってまたビールを飲むというものすごく人間味溢れる方だった。
麻雀やって、ビール飲んで、温泉浸かって。
なんだか落語の登場人物かと思うくらい、人間の業が溢れてる。
そこにキュンとしてしまい、さらに人として好きになった。
・Mリーガーも舞台を降りれば1人の人間
対局中は真剣勝負の舞台。
選手1人1人が人生をかけた気迫の表情で真剣に向き合っている。
その緊張感は画面越しからも伝わってくる。
だが、彼らも緊張の糸がほぐれた瞬間から、素の姿に戻る。
私は、そんな瞬間を見るのが大好きなのだ。
ジャッキーチェン映画の最後に流れるNG集のような安心感。
真剣勝負の姿と選手のありのままの姿のギャップにキュンとくるようだ。笑
さあ、連勝おじさんの帰還だ!#ゼウスの完全復活#Mリーグ#godrivens pic.twitter.com/ibtr14kKaj
— 赤坂ドリブンズ (@AkasakaDrivens) November 15, 2018
各チームも公式twitterではそんな選手の素の部分も発信していて
特に赤坂ドリブンズがトップをとって喜ぶシーンは私の大好物。
おじさん3人がこんなに喜んでる姿がなんとも可愛いらしい。
対局中はみんな怖い顔してるからこそ、こういう人間味にやられる。
勝又プロ(@katumatakenji)牌にめぐまれず厳しい対局でしたが…最後の最後にすごいツモ!!
— EX風林火山 (@EX_Furinkazan) October 25, 2018
うちの舞姫(@16003200 )も大盛り上がり!!#Mリーグ #二階堂亜樹 #勝又健志 #麻雀 pic.twitter.com/TZEXjW8qlR
真剣勝負の裏側の微笑ましいシーン。
♯3。 pic.twitter.com/jLPYHnARg7
— 白鳥 翔 (@s_Shochan0827) October 12, 2018
渋谷 ABEMAS 多井隆晴さん。
同じく真剣勝負の裏側。 お祈りモードが可愛い。笑
・バックボーンや物語が積み重なることで重厚なヒューマンドラマになる
そのように表と裏の顔を見ていくと、もう感情移入が止まらない。
例えば、先ほど話題にあげた近藤さんのあるシーン
ラス目ラス親からのテンパイで自分は絶対降りられない状況。
そこに危険牌のドラの3pを持ってきたときの「あー!」というこの表情。
いや、ここの表情が抜かれるだけでももう面白いんだけど、
密着での近藤さんを見ていると、このシーンを思い浮かべてしまいさらに味わい深い。
同じような表情でもまさに「天国と地獄」。
そんなヒューマンドラマが観ていていっそう楽しめる。
・選手の個性が輝くことで、Mリーグが巨大な群像劇になった
選手のありのままの姿が見えることで、愛着がわき、どんな思い、覚悟で対局をしているのか、バックボーンにある物語を知ることでMリーグが巨大な群像劇になった。
物語は無限にある。
例えば、12/18に行われた試合でのTEAM RAIDEN/雷電の瀬戸熊直樹プロ。止むを得ぬ3連続放銃でラスをくらい、ガックリする表情が抜かれていた。ここだけでも胸が詰まる。
あまりの酷い内容とスコアに客観的に現実を直視出来ませんでした。帰ってすぐVTRを見て次につなげるのが当たり前なのに、身体と心が拒否してすぐ床につく始末。
自身のブログでもそう、胸中を語っている。
その次節、12/20に行われた試合では、並々ならぬ覚悟とモチベーションで舞台に上がったに違いない。
気迫の四暗刻テンパイ
ツモ牌を握る力から感じる、想いや覚悟。
結局上がりまでは結びつかなかったものの、ここまでのストーリーを汲んでいると、このシーンの瀬戸熊さんには魂を揺さぶられた。
めちゃめちゃかっこよかった。
ちなみに先ほどの近藤プロの表情もこの試合。
この対局は物語がいくつも折り重なるもの凄い対局だった。
・どのチームを応援するかなんて選べない!
で、ここまできてなんなんですが、もうチームとしてどこか一つを選べない。
チームごとのファンクラブもあって参加したい気持ちはあるけれど、やっぱり一つには絞れない。
だって、こんなにも個人が輝いている重厚な群像劇なんだもん。
常に誰が主役になるかわからないし、誰にどんな物語が生まれるか始まってみないとわからない。
結局そこにグッとのめり込んでるんですよね。
ほら、テラスハウスとかバチェラーとかに流行ってるじゃん?
あれが好きな人って、誰が好きとかではなく、あの箱で起こる現象すべてを楽しんでるというか、そういう感覚に近いんですよ。(見たことないくせにイメージで語る)
所詮ミーハー層。
もちろん麻雀の技術的な部分も楽しんでいます。
その上でさらに前のめりで観ている理由っていうのが「群像劇」
言い換えればMリーグという舞台で行われる「男女21人物語」
キンマwebの記事や、
Mリーグ | キンマweb - KINDAI MAHJONG web
ウヒョ助さんの4コマ漫画や
いろんな小ネタが飛び交うTwitterやAbema TVのコメント欄
そういったMリーグに関わるすべての情報が楽しむ要素になっていて、Mリーグはそれらがランダムに集結し形になる場所。
ランダムだから毎回どんな形に収束になるかわからない。
だからずっと飽きずに見続けてしまうんだと思いました。
本当に麻雀が好きな人、上手い人が見るMリーグはまた違うでしょうし、私のような見方が好ましいかどうかは自分自身でも微妙なところはありますが、少なくともMリーグをきっかけに麻雀への熱が高まったのは間違いないです。
なぜチームとして絞れないか、どういう方向で応援していくべきか、という内容は改めて書きたいと思います。
とりあえず年内最終節が終わって、このMリーグが面白い!!っていう溢れる思いを文字に起こしたんじゃっ!!!!
長文にお付き合いくださり
ありがとちゃ〜ん(インスタントジョンソン)